クリスマスローズの育て方

可憐な花を咲かせるために
クリスマスローズ(ヘレボルス)はヨーロッパから小アジアを中心に自生しています。 適応性に優れる丈夫な植物であるため、日本でも十分に育てられます。
日本の梅雨から夏にかけての高温多湿な気候は、原生地に比べて厳しい環境(注)ですが、遮光や排水性を考慮することで、元気に夏越しさせることができます。
また、年間を通して通風のよい環境を心がけ、秋から冬にかけての活動期に古葉取りや十分な肥料を施せば、2月から3月には素晴らしい花を咲かせることができます。

(注)花柄が霜や凍結で倒れても温度が上昇すると再び立ち上がれるのは、ヘレボルスの細胞組織が凍結にそなえて水分を調整する機能をもっているためと考えられています。

最近の園芸業界ではクリスマスローズが注目されており、バラに次いで人気があります。
その理由を探ると
1. 花の少ない2月頃から咲く。
2. 半日陰を好む(木の下でも植えられる)。
3. 花色、草姿、花型などの巾が広い。
4. 日本では九州から北海道まで生育できる。
5. 和風、洋風の庭に適応する。(多くの植物と共存できる)。

クリスマスローズは低温に強く暑さに弱いといわれ、一般的に北海道・東北地方など北国での栽培は比較的楽だといわれています。ここではクリスマスローズの管理法を紹介します。

北国でのクリスマスローズ種まき
クリスマスローズの開花は北国では3月頃から5月頃となりますので、種の採取は6月頃から7月頃にかけてとなります。採取後は乾燥させたまま放置せず、できる限り早い時期の採り蒔きか土中での保存をお勧めします。

東北地方でのクリスマスローズの植え替えと肥料・土
発芽苗の植え替え
開花が見込める株などの場合には3月から4月にかけてか、8月中下旬のお盆過ぎに行います。

夏の水やり
夏の水やりは午後4時以降に行ないます。鉢の底から十分に水が流れるように与え、鉢の温度を下げるようにします。

冬季の保護
冬季は強い北風や雪を避けられるような場所に置くか、株を覆うように傘をかけ傘の中で保護します。開花が見込める鉢は根雪になる頃から、苗トレーなどを鉢の下に敷いて雪解け水がトレーの下を流れるようにし、根腐れしないように注意します。

古葉切り
雪解けの頃に、花芽が立つのを邪魔する葉のみ軽く古葉切りを行ないます。

肥料に関して
肥料は通常のやり方で良いですが、冬季の生育が少ないので、秋の肥料は寒くなった頃から早めに与え始めます。

栽培する土
通常使うハイブリッドの用土でも良いですが、軽石・鹿沼土を配合して水はけに十分注意してください。